防災・有事

人口1,016人の島が、まるごと停電した日

倒木で折れ曲がった道路標識(多良間、台風9号の後)
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7月11日、大型で強い台風9号が多良間島に最接近しました。地元紙の報道によると、最大瞬間風速は42.7メートル。午前5時半ごろから「台風の目」に入ったとみられ、一時的に風が弱まったものの、午前9時半ごろから再び強風が吹き戻しました。暴風が続いた時間は30時間以上といいます。

村内では、ガジュマルなどの大木が根元から倒れ、街灯が折損するなどの被害が出ました。沖縄電力によると、村内549世帯は一時、全戸で停電。宮古地方全体では、最大で1万7000戸を超える停電が発生しました。

沖縄県は台風接近を見越し、7月8日の第1回災害対策本部会議で、通信インフラの断絶により孤立するおそれがある自治体として、多良間村と与那国町にリエゾン(情報連絡員)を派遣しました。あわせて2024年に導入した衛星通信サービス「スターリンク」の資機材を送り、通信手段の確保にあたりました。

人口1,016人(令和8年6月11日時点、男561人・女455人、549世帯)の島がまるごと停電し、「孤立するかもしれない」という想定のもとで県が衛星通信機を送り込む。本土であれば数時間の停電はニュースにもならないかもしれませんが、離島ではそれが命綱に直結します。今回、多良間駐在所には(11日午前10時すぎ時点で)人的被害の報告は入っていないということで、まずは大きな人的被害がなかったことにほっとしています。

台風はその後先島諸島から遠ざかり、停電も順次復旧に向かったとみられます。今回の件は、離島の防災インフラの脆弱性と、それを支える仕組み(リエゾン派遣・衛星通信)の両方を、数字と実例で見せてくれた出来事でした。

(本記事は宮古毎日新聞、琉球新報、沖縄タイムスなどの公開報道をもとに構成しています)

現地からの報告:実際に体験して

倒木で折れ曲がった道路標識(多良間、台風9号の後)

午前2時ごろに停電し、その後朝9時ごろまで停電が続きました。豪雨のため窓を開けるわけにもいかず、夜通し蒸し暑さに耐える一夜でした。

台風が明けてから被害状況を見て回ると、島の基幹産業であるサトウキビはほぼ倒れていましたが、全滅というほどではなく、しばらくすれば持ち直すのではないかという印象です。

道路もところどころ木が倒れていましたが、役場や建設業の方々が早々に片付け作業にあたっていて、頭が下がる思いでした。

風で飛ばされたゴミや樹枝が散乱する道路(多良間、台風9号の後)

事前の予報ではまれに見る強烈な台風とのことでしたが、実際に見て回った印象としては、思っていたよりも被害は少なかったように感じています。

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