人口998人。多良間島が”1,000人の島”じゃなくなった月
4人。
減ったのは、たったそれだけです。それなのに、この数字を見たとき、なんだか胸にくるものがありました。
多良間島の人口、998人
宮古毎日新聞のサイトに載っている人口欄(令和8年10月1日現在)で、多良間村の人口は998人(男性545人・女性453人、535世帯)と表示されています。
村の公式サイトの数字は、8月末時点で1,002人。そこから1か月で4人、4世帯減って、ついに1,000人を割り込みました。
「人口1,000人の島」。自分でもそう紹介してきた多良間島が、その看板を下ろした月です。
※998人は宮古毎日新聞サイトの表示による数字です。10月9日時点で、村公式サイトの人口表示は8月末の1,002人のまま更新されていません。なお、村公式の人口は外国人住民を含む数字です。
4人減っただけなのに
統計で見れば、4人は誤差のような数字です。でも人口1,000人の島では、その4人にたぶん顔があります。島を離れた誰かなのか、亡くなった誰かなのか、だいたい見当がつく距離感で暮らしています。
正直に言うと、998という数字を見た瞬間、「滅びのカウントダウンが始まったな」と感じました。
では、本当にそうなのか。数字で確かめてみました。
この20年の人口推移
| 時点 | 人口 | 出典 |
|---|---|---|
| 2005年 | 1,370人 | 国勢調査 |
| 2010年 | 1,231人 | 国勢調査 |
| 2015年 | 1,194人 | 国勢調査 |
| 2020年 | 1,058人 | 国勢調査 |
| 2024年1月 | 1,043人 | 住民基本台帳 |
| 2026年7月末 | 1,006人 | 村公式 |
| 2026年8月末 | 1,002人 | 村公式 |
| 2026年10月1日 | 998人 | 宮古毎日新聞 |
20年で372人、約27%の減少です。
ただ、減り方は一定ではありません。2005年から2010年、2015年から2020年は、それぞれ5年で130人以上減りました。一方、2020年以降は6年近くで約60人減と、ペースはむしろゆるやかになっています。
1,000人割れは、急に崩れたのではなく、長い坂道をゆっくり下りてきて、ちょうど節目の数字をまたいだ、というのが実態に近いようです。
500人になるのはいつか
このまま減り続けたら、多良間島の人口はいつ500人になるのか。998人を起点に、減るペースを3通り置いて計算してみました。
| シナリオ | 年率 | 500人に届く時期 |
|---|---|---|
| 直近のペース(2020年→今) | −0.9% | 2103年ごろ |
| 37年間の長期平均(1989年→今) | −1.3% | 2079年ごろ |
| 急減期の再来(2009〜2020年並み) | −2.3% | 2056年ごろ |
いちばん早い想定でも約30年後。今のペースのままなら、80年近く先です。
もちろん、これは「同じ割合で減り続ける」という単純な計算です。島の人口は、一つの家族の転出や、大きな出来事ひとつで簡単に動きます。同じ沖縄の与那国島のように、外からの出来事で人口が増えた島もあります。逆に、子育て世帯が出ていくきっかけがあれば、減少は早まるかもしれません。
カウントダウンは、思ったより長い
数字を並べてわかったのは、「滅び」というより「小さくなっていく」が今の多良間島に近い、ということでした。1,000人から500人までは、どの想定でも一世代以上かかります。
そして、人口998人になったこの10月にも、島では第30回のピンダアース大会(闘ヤギ)が開かれます。出場するヤギは24頭。島の暮らしは、数字が一つ減った翌日も、いつも通り続いています。
カウントダウンが始まったのだとしても、それはかなり長いものです。その間の島の毎日を、これからも記録していきます。
出典:宮古毎日新聞(人口欄・令和8年10月1日現在)、多良間村公式ホームページ(令和8年8月末現在)、国勢調査(e-Citizen集計)。2024年1月は住民基本台帳。将来の数値は単純計算による試算です。